天災人災

 

加藤 康二

 

 

 昭和20310日の東京大空襲は、生涯忘れ得ぬ残酷な記憶である。私は運良くこの直前に静岡へ疎開し、難を免れた。毎年この時期には、その惨状を思い起こし、亡くなった人々、幼友達の冥福を祈る。人間の体験は60年で「歴史」に移行すると言う。体験者が高齢化した今日、この地獄の修羅場を風化させてはならない。

 昨年暮、多くの犠牲者を出したスマトラ沖地震の悲惨な報道は世界の人々を慄然とさせたが、60年前深夜の東京大空襲無差別絨毯爆撃の惨状はこれ以上であった。犠牲者は一夜にして10万人。その後各都市へと爆撃は続き、広島、長崎への原爆投下など一般市民の犠牲者は50万人にものぼる。スマトラ沖地震の犠牲者の数倍である。

 スマトラ沖地震は天災であるが、戦争による犠牲は人災である。この人災が懲りもせずイラン、イラクをはじめいまだに世界各地で行われている。アメリカが悪い、テロ組織も悪い、イラク政権も悪い、日本政府も悪いと言ってもはじまらない。天災は防ぎようもないが、この人災を人知をもって何とかならないか?

 また一見天災と考えられているいるものも実は人災であるものがある。その最たるものが地球温暖化問題であろう。地球温暖化対策の京都議定書不参加のアメリカは何を考えているのだろうか。アメリカを牛耳っているネオコンとは何だろうか?

 ネオコン(新保守主義)とは、もともと保守的傾向の強いブッシュ政権下で、ブッシュやラムズフェルド国防長官(軍事強硬派)、チェイニー副大統領(陰の大統領・エネルギー政策のボス)ら政権中枢の「タカ派」に大きな影響を与え、イラク戦争を推進した人々のことを指すようである。そして彼らはアメリカ防衛のためには、先制攻撃も辞さず・・・このようなブッシュ政権の姿勢を、ネオコンたちが後押しし、アメリカ一国主義の理論武装をしている。そして政権中枢ではウォルフォウィッツ国防副長官、ファイス国防次官らがネオコンの筆頭格である。今回ブッシュはそのウォルフォウィッツ国防副長官を世界銀行総裁に任命し、世界を意のままにしようとして、諸国から孤立化しつつある。

 ライス米国務長官は3月19日来日、牛海綿状脳症(BSE)問題で米国産牛肉輸入の早期再開を迫った。「緊急性を持った問題だ。単に貿易だけでなく、日米関係に悪影響をもたらしつつある」「1980年代の日米貿易摩擦当時のような雰囲気に逆戻りしないように」と強い調子で圧力を加えた。 また「米国では、多くの人々が昨年10月に解決したと考えた問題」「米国内の生産者も議会も、米国産牛肉は安全だと信じている」と。これに対し日本は「食の安全は重要な問題だ。政治や圧力によって曲げられてはならない。科学的知見が犠牲にされるように見られれば、輸入再開後の米国産牛肉の消費にも悪影響を与える」と反論。

 

☆3月28日深夜再びスマトラ島沖で

M8・7 ニアス島で被害甚大

☆原油価額高騰  ほくそ笑んでいる人々がいる

☆食品安全委員会は緩和を容認

 3月28日 BSEを審議している食品安全委員会は緩和を容認、一歩譲歩した形で衝突を避けた。しかし食の安全に関わる問題、直ちに輸入に結びつくものではない。売り手のアメリカは「安全だと言っているのだから、買わないのはけしからん」と。非科学的な論法!北朝鮮のDNAはでっち上げと同次元ではないか。輸入再開して万一BSEが出たら、これまたアメリカのエゴによる人災だ。

 

 「いままた地球が危ない。地球は怒っている」と思う。地球は全人類否全生物のもの「草木にも心がある」とは、ある生物学者の言葉。神社仏閣建立のための大木伐採に際しては、古来「木々との対話」の儀式が行われてきた。人間には自然に対する敬虔な感謝の念、合掌の心が欲しい。利権のためには手段を選ばず、力でねじ伏せる一部の輩にはやがて天誅が加わるであろう。

 

「ネオコン陰謀説」  「ネオコン」たちがブッシュをイラク戦争にかりたてた。

「ネオコンに牛耳られたアメリカは、ネオコンの背後にある石油資本のために、イラクの石油利権を奪うため、イラクを侵略した」(石油説)

「ユダヤ人が多く、ユダヤマネーの応援を受けているネオコン。これに牛耳られたアメリカは、イスラエルをイラクから守るため、イラクを侵略した」(ユダヤ説)

 ネオコンの真の危険性にアメリカの有識者はそろそろ気づき始めている。私はそれ

を信じたい!人知が人災を征服すること